子供と大人で「あそびをつくる」ワークショップ、「あそびのつくりかた」が3月19日(土)20日(日)の2日間にわたり開催されました。岡田憲一さん冷水久仁江さん2人のゲスト、そして芸工卒業生である青木亮作さん斉川義則さん野口大輔さん3人の講師をお招きし、当日は約30名の受講生と約11組の親子が参加する、総勢50数名という大きなワークショップとなりました。
1.オリエンテーション
まず、講師の青木さんから「workshopという言葉の持つ意味」と「今回のworkshopの目的」について、受講生に向けたオリエンテーションをしていただきました。
「何を作るか決められていない場所」である工房(workshop)にて、「子どもが笑う知恵をみんなでシェアしよう」という目標のもと、どうやって知恵を見つけ出し、遊びを作り出すのか。そのヒントとなりました。
また、そこで青木さんは「スポーツのようなものづくり」の提案をし、普段授業にて頭でアイデアを練る受講生の私たちに「身体でアイデアを出し試作をする」ことを伝えました。
2.チーム別ディスカッション
次に講師を中心とした3つのグループに分かれ、子供の頃に楽しかった「あそび」のエピソードを思い出し紹介し合う、簡単なディスカッションを行いました。「あそび」における「オモシロ成分」の分析をすることで「あそびづくり」のキッカケをつくるとともに、頭と緊張がほぐれました。
3.あそびをつくる①
午後からは実際に子供たちに登場していただき、実践を行いました。
予想をはるかに上回る子供たちのパワーに圧倒され翻弄されつつも、あの手この手と趣向を凝らして「あそぶ」受講生の姿がそこにはありました。時間が経つに連れ子供たちも慣れてきたようで、自分からあそびを提案する子もみられ、確かな手応えを感じました。
4.作戦会議(おやつタイム)
ひとまず休憩ということで親子の皆さんにはおやつを満喫していただき、その隙に受講生たちは作戦会議。
ここではsus4の野村さんによる、最終成果物であるアプリのシステム解説と編集方法のアドバイス講義も行われました。身体と頭脳のフル回転で、受講生たちは若干お疲れのご様子。
5.あそびをつくる②
後半戦は、部屋を真っ暗にしてからのスタート。前半とは環境がうって変わり、明かりも材料も制限された状態でどのように子供たちを喜ばせるのかがポイントでした。
前半のようにスムーズにはいかないものの、暗いことを活かしての「光」や「音」を用いてのアイデアが次々と登場し、なかなか面白い発想だったのではないかと思います。
6.まとめ(1日目)
後半戦も無事終了して親子の皆さんを見送った後、1日目最後のディスカッションが開かれました。どんな「あそび」をつくり、どんな「面白さ」があったのかを思い出しながらカードに描き出し分類していきます。
みんな「子供疲れ」でクタクタにもかかわらず、笑顔を絶やすこと無く作業を進め、一段落ついたところで解散しました。おつかれさまです。
7.オカダケンイチさんによるプレゼンテーション
2日目はゲストのオカダケンイチさんによるプレゼンテーションからの始まりでした。いくつかの作品の解説や、そこにいたるまでのプロセスの紹介など、自分の経験体験談を交えての面白く不思議で貴重なお話をしていただきました。
個人的には「自分の周りを食いつぶしていくデザイン」という考え方がとても印象的で興味深く今後参考にしていきたい話でした。今回のワークショップの目標である「スポーツのようなものづくり」の実感が湧き、午後からの活力を頂いたように思います。
8.アプリをつくる
昼休憩を挟んだ後、3人一組の縦割り(年齢が異なる人で組む)チームに分かれての本格的なまとめ作業にとりかかりました。
1班につき6つ程のあそびを選び、それをアプリに落としこむために共有できるフォーマットに作り替える作業です。ちょっとした誤字脱字がエラーになるという緊張感あふれるバグチェックを固唾を飲んで見守りました。
9.まとめ(2日目)
そして、ついに、完成。目の前のスクリーンに映し出された画像ではなく、実際のiPhoneで手元にて、見て、触ることで実感が湧き、感動もひとしお。あちらこちらからポツポツと聞こえた感嘆は、やがて拍手へと変わり、みんな満足度が肌で感じられるものとなりました。
細かい修正を加え、近日中の公開を目指して今もまだ作業中ですが、公開された暁には日本各地のいろいろな場所で、子供たちの笑顔をつくるために役立てていただけるのではないかと期待しております。