芸工クロストーク

名古屋市立大学芸術工学部現役生が先輩に仕事のことをインタビュー!

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Vol6. 2010年5月 横田 理恵子さん 芸術工学部3期生

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マーケティング
ブランドデータバンク株式会社

横田 理恵子

3期生 視覚情報デザイン学科 平成13年度卒業

―今働いていらっしゃるブランドデータバンクはどんな会社ですか?

マーケティングをやっている会社です。
全国3万人に所持品など130ジャンルに渡って半年毎にアンケートを取り、
結果をデータベース化して分析し、いろんな企業の人に提供するサービスをしています。
そのデータを使うことで、例えばi-podを持ってる人は、他に何を購入しているかが横断的に分かり、
持ち物からどういうユーザーかが具体的に分かるんです。

データベースは専用のアプリケーションをインストールすることなくアクセスできるかたちで提供しており、
いろんなメーカーや広告代理店が、契約してくれています。
インターネットリサーチの会社は他にもありますが、
消費者の情報をデータベース化して情報を提供している会社は
そんなには無くて、競合はあんまりいないですね。
仕事は大きくは二つに分かれていて、サービスをいろんなお客様に売る営業と、
データを元にレポートを作ったり分析したりするプランニングです。
私はゼネラルマネージャーという肩書きで、
両方を見渡しながら何でもやる、全体を統括する立場です。

―学生だとなかなか知る機会の無いお仕事ですね。
芸術工学部からマーケティングというのが想像しにくいのですが、
どうして今のお仕事に?

実際の資料を見せてもらいながらお話を聞きました。情報を集め、分析することで人の傾向が分かるというのは面白いなと思いました。

もともとは編集の仕事をしていたんです。就職活動をして、内定をもらったのがソフトバンクパブリッシングという東京の出版社でネットランナーという雑誌の編集部に配属になりました。それが超オタクの雑誌で10人位の編集部だったんですけど、新卒を採るのが初めてだったので可愛がられて、最初からいろいろ教えてくれましたね。編集の仕事は希望してた職種だし、楽しくて、それなりにがんばりました。

就職して2年経ったころ、大学4年の時に参加した「てつそん」っていう全国の美術やデザインなどを学ぶ大学の合同卒業制作展があるんですけど、そこで知り合ったデザイナーの人に、今の上司を紹介されました。それで、「新しい事業するんだけど、専属で一緒に働いてくれる人を探してるからウチに来ない?」って初対面で言う訳ですよ。
私は転職したいとも思ってないし、マーケティングに興味があるって話もしてない。
でも、話をするうちに、この人はすごい面白いし、
やろうとしてることにもすごい可能性を感じる、と直感で思ったんです。
一回会社に遊びにおいでよってって言われて、
後日会社に遊びに行ったら、やっぱりウチで働かないかって。
何か面白い気がするって確信があったんで、6月のボーナスまで待ってもらって(笑)、転職しました。

また、学生時代にDTPのバイトを経験した際、雑誌の誌面デザインよりは、
そこに書かれている内容を生み出すことに携わりたい、といったように、モノが生み出される、
最初の源流に近いところにたどり着きたいなって漠然と思っていました。
マーケティングは、特にモノを市場に出す前に重要なフェーズでもあるので、
そういう意味ではより源流に近い仕事です。
だから、別にマーケティングを勉強したこともないし、全く関係ないと思っていたけれども、
話を聞いてみて、自分の興味に近いんじゃないかなとピンっときました。

―運命の出会いだった訳ですね!
転職されてからは、どんなことがありましたか?

私が入った頃はまだデータベースができたばかりで、
上司に付いていろんな会社を訪問するうちに、徐々に契約者を増やすことができました。
人と話したり会ったりする仕事は自分に向いてないと思ってたんですけど、
営業の仕事をするようになって、面白いなと気づきました。
ほかにも、最初の仕事で書籍を作ったり、
見積りや請求書の作成などお金や数字に関わることをしたり、
本当にいろんな経験をさせてもらえましたね。
学生の頃に「手に職を付ける」感じで覚えたIllustratorで、パンフレット制作もしていて、
全然違う仕事をしていますが芸工で学んだことも生かされてるかな。
そして、小さな会社だったブランドデータバンクが何年かかけて大きくなってきて、
去年会社の方針で、インターネット調査会社のマクロミルの子会社になったことで、
更に大きくなろうとしている。それにちょっとでも協力しながら、
会社が成長する場面に立ち会えているのはすごく面白いですね。

―本当にいい会社にめぐり会えて、充実されているんですね。
就職活動の際、どのように自分に合った会社を探せばいいか
アドバイスをお願いします。

インターネットリサーチの会社を例にとっても、知らない人が多いですよね。
だから今の芸工生には、幅広い視点で会社を探してみて欲しいです。
あと、自分の働き方に合った規模の会社を選ぶのは重要だと思います。
マクロミルは小さな会社と違って福利厚生がちゃんとしていて、
年に1回定期健診を受けられるのは良いと思います。
社員も300人くらいなのでコミュニケーションの面でもちょうどいいボリュームだと感じますね。
逆に小さい会社なら、意思疎通がもっと密になるし、意思決定もより早いと思います。
比較的大きい会社と小さい会社の両方を経験してみて、
どっちにも良い所悪い所があると思うんです。

―会社の大きさはあまり考えたことがなかったです。
いろんな側面から会社を見る必要があるんですね。
ところで、学生時代はどんなことをされていましたか?

アルバイトでクリエイティブな仕事をするのは、自分が何をしたいのかに近づける一つの方法だと思いました。

グラフィックの授業を受けたり、情報・建築問わずいろんな先生のところに顔出しては、ワークショップに参加したりしてました。興味があるいろんなことを浅く広くやってましたね。バイトは雑誌を作るDTPの仕事や、飲食店を取材して記事を作る仕事などをしてました。そんな仕事をしながら何となくメディアの仕事がしたいなとか思い始めましたね。また、東京に憧れがあって好きだったこともあって、月一で遊びに行ってました。学生のうちにいろんなものを見た方がいいと思います。

―芸工らしく、浅く広い分野に積極的に関わっていらしたのですね。 最後に、横田さんにとって芸術工学とは何でしょうか?

芸術工学と言いつつ、芸術プラス工学じゃないところが難しいね。
私の中では、右脳と左脳のバランスが非常に良い学問だと思っていて、
手動かして絵描いたりデザインしたり、感覚的なことを学べる一方で、
文章や言葉、表現など論理的なことも関連してくる。
私は自分が広く浅くを超追求する人だって思っていて、その芸工らしさで、
専門に特化しているプロフェッショナルにも戦えるんじゃないかというのが持論です。

インタビューワ 稲垣 裕美子
13期生(平成20年度入学)デザイン情報学科
Webデザイン志望

―インタビューの感想―
バリバリ働いているかっこいい女性だと思います。
いろんな研究室を覗きに行ったり、いろんな場所に赴いたり、
もっとアクティブに行動していきたいと思いました。

稲垣 裕美子

3DCGのmayaをかじったり、ActionScript若干かじったり、Photoshopかじったり。
いろいろを、少しずつですがかじってます。

今はWebに興味があります。
何でも聞いたり言ったりしてください。
知らない人でも何でも、役に立たなくても手伝います。

Written by 稲垣 裕美子

5月 18th, 2010 at 8:00 pm

Vol5. 2010年5月 小川 直茂さん 芸術工学部1期生

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岐阜市立女子短期大学 講師

小川 直茂さん

1期生 視覚情報デザイン学科 平成11年度卒業

大学院芸術工学研究科博士前期課程 平成13年度修了

—講師になるまでの流れを教えてください。

基礎造形の作品を見せていただきましたが、本当にきれいで線が美しかったです。

2002年に名古屋市立大学大学院博士前期課程修了後、中日新聞社の編集局デザイン課で新聞紙面におけるデザイン制作に携わりました。約5年の勤務を経て同社を退職後、大阪大学大学院に入学し、2009年4月から岐阜市立女子短期大学生活デザイン学科で教員として働いています。

科目としては、主にグラフィックデザイン系の演習や「色彩学」、「基礎造形」などを担当しています。基礎造形では烏口とアクリルガッシュを使って線や面、幾何形態などを描く課題を出します。芸工で言うとデザインストロークのようなものですね。一見単純なトレーニングですが、意外とデザインの資質が見えるんです。まっすぐかすれずに線をひけるか、はみ出さずに色を塗れるか、というのはセンスや才能以前に、課題に取り組む姿勢の問題。しかし、実はそれが馬鹿にできません。この課題に丁寧に取り組める学生は、実践的なデザイン課題においてもきちんとした成果を仕上げてくる。逆に雑な作品ばかり作っている学生は、その後自分の専門分野の課題に取り組む際にも、今一歩デザインが突き詰められないようにみえます。デザインでは、才能のあるなしに関わらず、まずきちんと丁寧に仕事に取り組むことで相当高い水準に到達できるはずで、センスや才能はその先にあるのではないでしょうか。

—中日新聞社の仕事はどのようなことをされていましたか?
また、もう一度学生に戻ろうと思った理由はなんですか?

中日新聞社の編集局デザイン課は、元々は「図案課」という名前で、
記者の依頼に合わせて地図やグラフなどの視覚的な部品を制作する部署でした。
そのため、たとえば新聞紙面全体のデザイン性といった統括的な視点での発言ができるとは
なかなか言いがたい立場にありました。
僕自身は「デザインは部品をつくるためのものではない」という考えを持っていましたから、
編集局に対して、新聞づくりにおけるデザインの有効性やデザインの総合力を説き、
社内でのデザインに対する意識を高めるように努めました。
その後、紙面で連載される時評の挿絵を3年ほど担当したのですが、その仕事をきっかけとして、
紙面全体のレイアウト等についてもデザイン面での意見を出していけるようになりました。

芸術工学部を卒業した人間の責務として、デザインの先端領域のみならず、
これまでデザインにさほど強い認識を示してこなかった業界に対して、
デザインの可能性を具体的に示すことが挙げられると僕は考えています。

情報を視覚的に表現し、読者に分かりやすくデザインするという
中日新聞社の仕事はとてもやり甲斐のあるものでしたが、
一方で新聞という枠組みを超えた取り組みにはなかなかチャレンジできませんでした。
デザインでやれることがまだ他にもあるのではないか、その見識を広げるために
再度勉強したいと思い、新聞社を退職して大阪大学大学院に入学しました。

—デザインに関する意識改革が必要な分野は多くあるのでしょうね。
学生時代に興味のあった分野、専門は何ですか?

小川さんの作品の一つで、鉛筆でポストカードなどがたてかけられるようになっています。

特定の分野に的を絞って他分野に関心を示さないのは芸術工学部の理念にそぐわないと考えていたので、色々な分野をまんべんなくつまみ食いすることを意識的に行っていました。ただ、どうも器用貧乏になりそうでしたので、しっかりとした芯が必要だと感じ、名市大の大学院では川崎先生の研究室で2年間じっくりと勉強させていただきました。

僕が在籍していた当時の芸術工学部のカリキュラムですが、1年次に絵画や彫刻などを通して基礎能力を修得し、2年次と3年次の前期まではグラフィック・映像・情報工学・建築・都市景観など様々な分野の講義や課題に取り組みました。最終的に専門分野を決定したのが3年次の後期終了後。このタイミングはさすがに少々遅かったようで、就職活動の際にも、
専門的な知識や技術についてのトレーニング不足が課題として浮上してきました。
今では2年次から専門分野を決めて集中的に取り組める形になったようですね。
これは確かに良い面もあるのですが、逆にもったいないと思うこともあります。
一分野に特化して学習する環境が確立してしまうと、時折、芸術工学部が本来備えている
「器の広さ」を有効に活用できない事態が発生してしまう。
芸術工学部には多くの専門分野を横断的に学べる環境があるのだから、
周りに目を向けて、芯を持ちつつ積極的に幅を広げていってもよいと思います。
とはいえ、専門性と総合性の両方を身につけられる「完璧なカリキュラム」をシステムとして
構築することは難しいので、理想の実現には学生の
自主的かつ積極的な取り組みが欠かせないでしょうね。

―芯があり幅広いっていいですね。
小川さんは多くのことを学ばれていますよね。
その中でも特にやりたいデザインとは何ですか?

学生時代はとにかく色んなことをやりました。
現在、特に興味を持って取り組んでいるのはコミュニケーションデザインです。
何をデザインするにしても、モノと人との間に発生する対話や、
モノを通じて人と人との間に発生する対話を無視することはできません。
その対話、つまりコミュニケーションをいかにデザインするかについて
研究と制作の両面から考えていきたいです。
大阪大学大学院では、川崎先生が「いのちと向き合うデザイン」をテーマに掲げており、
僕自身もその場で先生が取り組む複数のデザイン研究プロジェクトに関わりました。
そこで得た経験と、川崎先生が提唱された理念が、今の僕の活動の規範になっています。
たとえば医療の現場において、不透明な情報や分かりにくい情報があることにより、
医療全般に対して怖さや不安を感じることがありますが、それを緩和して解消するために、
デザインで何ができるのかを考え、提案していきたいと思っています。

—ホームページを拝見したのですが、
小川さんは多くの作品を制作されていますよね。
また、コンペにもよく出されているようですが?

コンペは、自分の得意・不得意な部分を確認したり、プレゼンのスキルを向上させたり、
実践的な能力を高めることができるので、学生達には積極的に応募するように言っています。
やるたびに力がつきます。そのうち、ただ与えられたテーマについて考えるのではなく、
なぜそのテーマを設定したのかといった背景や社会的状況までも深く考察しながら
戦略的にデザインすることができるようになります。
この経験は、応募作品のクオリティ云々以上に、
将来デザイナーとして社会に出て仕事をする際にも非常に大事だと思うんです。
単に言われた要求に応えるだけではなく、なぜそのデザインが必要なのか、
そのデザインによって何を実現し、どんな未来を拓くのか、
というところまで考えを突き詰めなければ、良いものにはなりませんから。

—深く考えるということが重要なのですね。
就職活動の際、ポートフォリオをどのように作っていけばよいですか?

このすべてが学生のうちに作られたポートフォリオだそうです。

名市大は、これまでの先生方のご指導の甲斐あって「コンセプトに強い大学」という評価を頂けていると思います。ですので、まずコンセプトの部分は外さないことですね。課題に対して何を問題と捉え、どう解決へと導いたか、それらを系統立てて整理し、短く明快な言葉で分かりやすく示すことが大切です。毎年、芸工の卒業制作展を拝見していますが、とにかく制作内容を一通り書き上げることに執心してしまって、見やすさにまで意識が向いてない人も時々見かけられます。
「どう伝えるか」という能力は、まだ伸ばす余地があるかな、と思います。
ポートフォリオに関して言えば、全般的に学生は情報を詰め込む傾向にあるので、
もっと思い切って構成に余裕を持たせたり、ページをめくることで読む人の意識を変えるなど、読まれ方のデザインにも配慮すると良いですね。
一度、作品の説明に必要な諸要素を徹底的に解体してみると、
詰め込み型とは別のまとめ方が見えてくるように思います。

—社会人になられたうえで、学生のうちにやっておくべきことは何ですか?

無茶をすることですね。失敗することを恐れないでほしい。
むしろ失敗すればするほど自分の身になると思ったほうが良いです。
岐阜で1年間、教育活動に従事してきましたが、
今の学生達はすぐに正解を聞きたがるし、
すごく効率的に答えにたどり着こうとするように感じます。
失敗や回り道を「ただの時間の無駄」だと考えている節があるんです。
まず自分で考えなさい、実際にやってみなさいと言っていますが、なかなか直らないですね。
頭や手を使わずに聞きかじっただけの情報は、価値としては希薄で、
せいぜいその場を切り抜けるぐらいの役にしか立ちません。
それに比べて、何らかの失敗を実際に経験して「なぜ失敗したのか」を身をもって理解できれば、
その経験を発展的に応用して別の事例に対応することも出来る訳です。
そういう意味で、たくさん失敗してください。
また、周りと積極的に触れ合い、刺激し合うことも大切です。
大学は、自分とは異なる考え方や価値観を持つ友達や、経験豊かな先生方から、
色々な情報を引き出して自分の中に取り込める環境なんですね。
一度聞いたこと、知ったことは、一時忘れることはあっても決して消えてなくならない。
いつか自分にとって必要になった時にパッと出てきて、
「あ、あの時こういうことがあった」となるものです。
とにかく学生時代は、周りからたくさん吸収し、たくさん失敗し、
体当たりで自分を成長させていくことが大切です。

—芸術工学としてのデザインとはなんですか?

一つの視点にとらわれず、総合性を備えたモノづくりへの取り組みだと思っています。
初代学部長である柳澤先生が、僕達一期生に対して「芸術と工学は、
その成り立ちもスタンスも大きく異なる。
芸術工学部が目指すのは芸術と工学の融合ではなく、調和である。
そのハーモニーによって生まれる新たな未来に期待したい」とおっしゃっていました。
自分が学んだ様々な分野の知識や経験、それらが混ざり合うことなく、
各々の個性を保ちながらも調和し合い、化学反応を起こしていくこと。
それが、芸術工学としてのデザイン、つまり『総合デザイナー』なのではないかと考えています。
そして、目指すところは、やはり人間の社会や生活を真の意味で豊かにすること。
デザインは、理想をただの言葉でなく、モノやコトといった具体的なかたちで
示すことができる仕事です。

芸術工学部で学んだ身として、そういったデザインの可能性を次世代の学生達に少しでも
伝えることができれば、という思いで、今の仕事に取り組んでいます。

インタビューワ 山下 咲衣子
13期生(平成20年度入学)デザイン情報学科
プロダクトデザイン志望

―インタビューの感想―
一期生の当時のお話は、とても興味深く楽しかったです。
基礎造形は本当に大切だと感じました。作業をする際に気をつけていきたいです。

山下 咲衣子

プロダクトデザイン志望で、日々なにかしら手をだしています。
いろいろな分野の方と関われたらいいなと思います。

Written by 山下 咲衣子

4月 25th, 2010 at 10:58 am

Vol4. 2010年3月 遠藤 頌太さん 芸術工学部8期生

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農業ベンチャー 食品安全マーケター※
株式会社M-easy

遠藤頌太

8期生 視覚情報デザイン学科 平成18年度卒業
大学院芸術工学研究科 平成20年度卒業
森島 紘 研究室

※専門的な知識を有し、消費者に安全を届ける職業。
※安全な商品を流通させるためのマーケティング企画立案従事者

遠藤さん

-どんな仕事をされているのですか?

M-easyという常滑で無農薬・無化学肥料にこだわった農業をしている会社で働いています。
会社名は「Making the Earth Alive SYnergy」の頭文字を取ったもので「相乗的に地球を良くしていこう」みたいな意味です。

小さい会社なので事業計画や店舗設計などほぼ全てのことに関わるんですけど、僕の仕事は野菜の販売に特化した「やさい安心くらぶLLP(有限責任事業組合)」事業の活動がメインです。

-入社1年目で会社の全てのことに関わるなんてすごいですね。
その「やさい安心くらぶLLP」での仕事を具体的に教えていただけますか?

「やさい安心くらぶ」の野菜がたっぷり使われたご飯を頂きました。元気な野菜からは力がもらえることを体感しました。

「やさい安心くらぶ」の野菜がたっぷり使われたご飯を頂きました。元気な野菜からは力がもらえることを体感しました。

簡単に言えば、野菜の移動販売をやってるんですが、自社で作っている野菜だけでなく、自家用野菜に着目したのがポイントです。

常滑周辺ではたくさんの人が畑を持っていて、多くの方が自家用に野菜などを作っているんです。そういった野菜は自分たちが食べるから無農薬か最低限の農薬で済ませるので、市場の野菜より安心・安全。

その野菜を集めて、我々の考えに賛同して下さる名古屋の飲食店やお花屋さんの土地をお借りして販売する。販売場所を名古屋にしたのは、都心部に行くほど安全な野菜が手に入りにくくなり、消費者のニーズが増えるからです。

仕事の目標が二つありまして、一つはいかに安全な野菜で消費者に健康を届けるか。
もう一つは農業を経済的にどうやって自立させるか。

-作り手が食べている野菜なら確かに安心ですね。
では、その二つの目標について詳しく教えて下さい。

M-easyでは、土作りにも工夫をしていることをお聞きしました。

M-easyでは、土作りにも工夫をしていることをお聞きしました。

まず安全な野菜についてですが、我々の野菜を買いに来られる方の中には、持病をお持ちの方や、アレルギー体質の方がたくさんいらっしゃいます。

そうした安全を求めて買いにきて下さる方を裏切らないように、今の我々の技術では無農薬栽培が難しい野菜も、「全部無農薬にするぞ」って農家さんと気持ちを一つにしてやっています。

そして豊田市旭町の限界集落では、11人の若者が定住して完全無農薬・無化学肥料の自社製野菜の栽培に取り組んでいます。そこはきれいな清水の流れる山奥の秘境で、若者たちはお寺で共同生活を送っています。

究極の目標として健康な野菜を届けて病気を治すとか、予防医療とかを目指してます。実際に予防医学に力をそそいでいらっしゃる医師と協力して年に一回セミナーを開いたりしています。

農業の経済的な自立を目標にするのは、農業の問題を解決するには後に続く世代が出てこないといけないから。

農業の平均年収は100万円くらいなのですが、それを上げて就職活動の選択肢に農業が普通に出てくるくらいまでにしたいです。まずは自分達が成功事例を作ることで、憧れや夢を持った世代が出てくると思うんです。

-安全な野菜作りは、豊田市にも出来た生産チームに期待が持てますね。
そして農業の経済的な自立には、
農業は儲からないという固定観念を無くすことが重要なのですね。
では解決すべき農業の問題とはなんでしょうか?

僕の実家も兼業農家なんですけど、親の世代は外に働きに出て農業をしているのはまだ祖父母という現状があり、今の課題は祖父母から孫の世代への代継ぎ。でも孫も大半が反発する。そうすると、土地を受け渡せず、耕作放棄になったり、限界集落になっていったりする。

生産側の利益が少ないことも問題です。

例えば愛媛のみかん農家は、みかん一個の卸値が1~3円くらいと聞きます。
卸から小売までの中間経費がすごいかかるので、ほんとに生活できないような値段で取引しているんです。

大手小売に力があるので、小売が値段を下げたら、圧迫されていって生産農家が一番打撃を受ける。我々の会社は中間経費を全部取っ払うために、物流コストはかかるんですけど、自分たちで農家さんのところまで取りに行って、売る。利益配分は売り上げに対して我々と農家さんとで50:50なんですよ。他の会社には無いビジネスモデルです。

-生産者と対等な立場で取引をするビジネスモデルなんですね。
本当にやりたい事に向かっていらっしゃるように見えます遠藤さんですが、
学生時代に悩みはなかったんですか?

制作や芸術工学の考え方、私の進路相談(笑)など、 まだまだ書き足りない位お話をお聞ききしました。

制作や芸術工学の考え方、私の進路相談(笑)など、 まだまだ書き足りない位お話をお聞ききしました。

今でこそ自分の目標がありますけど、自分は何をすべきなんだろうってずっと思ってました。学部の時は興味のあった環境デザインをテーマにパッケージやグラフィックをやっていたんですけど、自分の中でしっくり落とし込んでる感覚がなかったんです。

なので、もうちょっと考えてみようと大学院に進学して、トリノ工科大学に留学もしました。でも、どんだけもがいてみても、結局しっくりこなかったんです。

そんな時、農業へシフトしていくきっかけが森島先生のアドバイスだったんですよ。修士研究のテーマが決まらず相談したりして、ある時自分の身内話になりまして。
自分の家の農業の後継者問題とかのお話をしたら、「お前、なんでそれやらないんだ」って(笑)。

今だから分かったんですけど、僕は長男で農業の跡継ぎ問題が小さい頃からあったんです。
でも、自分の可能性が断たれるのが嫌で、常にそこから離れるような行動を取ってきた。
それで最終的にはトリノまで行った。

結局何も見つからなかったけど、一旦離れてみると自分っていうのが見えたんですよね。
やっぱり実家の農業のことが常に頭の中をチラつく。
こんなにも気になるんだったら、一回腹決めてやってみようと思いました。
なんとなくとんとん拍子に進んでいったのはそれからですね。

-なにをするか迷われていたなんて、情熱的に仕事を
なさっている遠藤さんからは想像がつかないです。
今の会社にはどうやって就職されたんですか?

農業をテーマに研究を始めたころは、農業の話題が旬で、新聞記事に今の会社が載っていたんです。
それでコンタクトを取ってお会いし話をしたときに、これって自分がやりたいことの一つの具体例かなって思ったんですよ。

卒業後も気になっていたので、また連絡を取るようになり、そのうちにやっぱりやりたいことに近いなと思いまして。「やさい安心くらぶLLP」という販売事業が始まって間もない頃だったので、自分のやりたいことが出来るんじゃないかなとも思って、迷わず飛び込みました。

-すごい行動力ですよね。
その姿勢が、M-easyとの出会いを導いたんですね。
今だから言える大事なことはなんですか?

人と会うことを大事にしてください。
何かを成し得ようと一人で長時間かけて努力したことが、
実は人に聞けばたった一分で分かるってことがざらにあるんですよね。

人の力を借りてやればいいから、いかに怖がらずに会ったり吸収しようって思うか。
人に助けられて生きているって感じるし、大学の時の恩師 森島先生、
そういった存在が無ければ今の僕は無かった。
いろんな人に聞いたり意見を言ったりして、進むことってあると思う。

僕も何やりたいか分からなかったけど、見つけようともがき続けたのは確か。
興味を持った人に会いに行ったり、行動したから、結果がよくなってきたっていう感じです。
家で悩んでても、絶対に見つからへん。

神様って見捨てへんもんでね、自分の一番大切な部分を思い切って差し出すでしょ。
すると絶対それに応えてくれる。不思議ですよね、誰かに引っ張られてるような感じ。
すごく抽象的に言うなら、運命(笑)。

-素敵ですね。
勇気を出して行動することで、やっと自分らしい景色が見えてくるんですね。
最後に遠藤さんにとって芸術工学とはなんですか?

二時間半もの間、ぎゅっと内容の濃いインタビューでした。芸術工学は幅広い分野で活躍ができるのだと教えて頂きました。

二時間半もの間、ぎゅっと内容の濃いインタビューでした。芸術工学は幅広い分野で活躍ができるのだと教えて頂きました。

大学で一番何が養われたかというと、自分の場合は課題解決力だったりバランス力だったりだと思うんです。たとえ専門外の事であっても、ある程度物事を理解してしまえば、芸術工学という学問がどんな分野にでも活かせると思うし、芸工生として社会に通用する実感があります。

今の仕事でいえば、農業を農業の力だけで何とかしようって思っているのではなくて、医学や栄養学、情報を農業と結びつけることで一つの新しい価値にしようとしてるところ。今まで個別だったもの同士を結んだら相乗効果があるんじゃないって感性は、芸術工学のとても良い所じゃないかな。

インタビュアー:稲垣 裕美子
13期生(平成20年度入学)デザイン情報学科
Webデザイン志望

―インタビューの感想―
何かを成し遂げたいと思う、夢の力は偉大だと感じました。
自分の立ち位置が分かって、そこから物事を眺められるような大人に、早く仲間入りしたいです。

稲垣 裕美子

3DCGのmayaをかじったり、ActionScript若干かじったり、Photoshopかじったり。
いろいろを、少しずつですがかじってます。

今はWebに興味があります。
何でも聞いたり言ったりしてください。
知らない人でも何でも、役に立たなくても手伝います。

Vol3. 2010年3月 鈴木 多恵さん 芸術工学部6期生

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インテリアアドバイザー
IDC大塚家具

鈴木多恵

6期生 生活環境デザイン学科 平成16年度卒業
山口良臣 研究室

鈴木多恵さん

—仕事内容を教えてください。

どのようにカーテンの手入れをするのか教えて頂きました。奥と手前で整い方が違います!

大塚家具でインテリアアドバイザーとして働いています。現在は営業社員のフォローに入り、新築物件のカーテンや照明の提案を主にしています。お客様のご要望や予算を伺い、図面を見ながら、その人その家に一番合ったインテリアを提案します。実際に現場まで伺って打ち合わせをする事も多いです。

入社後3年間は営業の部署で家具の営業をした後、よりインテリアの専門知識が必要となるカーテン・照明の部署に配属となりました。コーディネートの勉強はほぼ独学。実践で学びながらセンスを磨いて行かないといけません。

—仕事で大変だったことはなんですか?

結果を求められるので、年次が上がるごとにノルマも上がります。なんでうまくいかないのだろうって落ち込むこともありますが、結果が伸び悩んでいる時こそ思い詰めず、やれることを最大限やるべきですね。私の場合は、季節のお手紙をこまめに出すなど、お客様に対して誠実に、命をかけるぐらい一生懸命に働くことを信念としてきました。

—芸工生は空間デザイナーになれますか?

空間デザイナーは建築出身の人が多いですね。
空間の設計や内装の設計を仕事にしたいなら建築系を出て、
就職活動ではデザイン事務所や内装設計の企業を受けるのがよいのではないでしょうか。
必要な技術としては建築士の知識・技術です。
デザイン情報からだと、例えば空間そのものをデザイン、
設計するという仕事にいきなり就くのは難しいと思いますが、
インテリアコーディネーターの仕事から入り、
仕事をしながら勉強してスキルアップすることは十分可能です。

—会社はどういった人間をほしがっているのですか?

インタビューの受け答えに、接客のプロとしての雰囲気を感じました。

別に特殊な人を求めている訳ではなく、質問をした時に的確に答えることができるような、一般常識やマナーを持っている事がなにより大事です。また、インテリア業界では女性は重宝されます。住宅関係の仕事は施主様の奥様と話すことが多く、その場合女性の方が感性が合うし、物腰が柔らかいので心を開きやすい。だから、長く働ける女性は必要とされます。結婚しても働いている女性も多くいますよ。

—今後のキャリアアップの目標は?

実は、私来月退職するんです(笑)。もともと、3年働いたら大学院に行こうと思っていたんですけど、楽しかったのでそのまま働き続けて5年。これからはより幅広い技術を身につけ、スキルアップしたいなと今は思っています。
転職のリミットは29歳と転職業界では言われていますが、技術職は別ではないのでしょうか。
社会は色々な人たちで成り立っていて多様な職業があるのですから、
自分のタイミングで自分なりに、やりたい事を探し、転職をしていけばよいと思います。

—就職活動はどうされましたか?

私は芸工時代、ものづくりやデザインについて学ぶ中で、
自分自身でものを創るより、今あるすぐれたものを使って、
居心地のよい素敵な空間を作る仕事に就きたいと思いました。
ひとつのものに集中してそれを掘り下げるよりも、
色んなものを組み合わせて作品にするほうが好きだと思ったから、大塚家具を選びました。

在学中から行きたい会社の先輩と連絡を取ったりしていました。
行きたい会社があるのならばどんな技術が必要なのか直接聞いてもいいかもしれません。
でも、ある技術がなければ入れないという会社はそうそうないのではないのでしょうか。
自分の強みなども考えておくといいですね。

—在学中の経験で役立ったことは?

お客様への説明のしかたなども伺いました。思わず「なるほど」と納得する説明でした。

精神力と多くの知識を得たことです。「知っている」ということはとても重要です。壁にある画家の絵を飾りたいとお客様がおっしゃった時に、その画家の話を広げられたら相手に信頼してもらえます。相手の話を理解するだけで、仕事の幅が広がりチャンスはぐっと増えますよ。

また、色彩検定2級を取得するなど、色を勉強してきたことは本当によかったと感じています。カーテンの色を考える時にも色合いの裏付けができるんですよ。例えば、木材の家具には差し色として緑色を提案し、茶色と緑色の組み合わせが木を連想させ、自然界にある配色なので親しみやすいですよね、など相手に分かりやすい説明ができるようになりました。

—相手と話す際、どのようなことに気をつけていますか?

好きな色やテイスト、ライフスタイルなど相手のことを積極的に聞くことです。
大切なのは聞き上手になること。聞かないとその人の求めるものがわからないですよね。
最初はうまくいかないことばかりでした。
自分が一生懸命説明したつもりでも、後日違う店で買われてしまったり。
しかし、その時々で相手の思いをちゃんと汲み取れていなかったと反省して、
そういう中で聞くことの大切さを実感しました。
真剣さが伝わることで心を動かし、逆に、自分本位な提案や、
そういった気持ちが少しでも伝われば心をつかみそこねる。
気をぬけない、人の心と付き合う仕事ですね。

—鈴木さんにとってデザインとはなんですか?

生活を豊かにしてくれるもの。
なくても生きていけるけど、あることで生活が豊かになり、より楽しくなるものですね。
デザインをうまく生活に取り入れることで、心が満たされ幸せになれるのではないでしょうか。

インタビューワ 山下 咲衣子
13期生(平成20年度入学)デザイン情報学科
プロダクトデザイン志望

―インタビューの感想―
鈴木さんのお話を伺ってから考え方が変わりました。
人の話を聞くということは大切だと分かっていても、なぜ大切であるのか、ということがよくわかりました。
魅力的な話ばかりで、とても勉強になりました。

山下 咲衣子

プロダクトデザイン志望で、日々なにかしら手をだしています。
いろいろな分野の方と関われたらいいなと思います。

Written by 山下 咲衣子

3月 9th, 2010 at 9:46 pm

Vol2. 2010年2月 長谷川 麻衣さん 芸術工学部6期生

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アパレル系 グラフィックデザイナー
株式会社マグネット     

長谷川 麻衣     

6期生 視覚情報デザイン学科 平成16年度卒業
森下良三 研究室     

6期生 視覚情報デザイン学科卒業 長谷川麻衣     

-仕事について教えて下さい。

長谷川さんの描いた設計書

長谷川さんに設計書を見せて頂きながら、服がどう作られるのかを知ることが出来ました。

株式会社マグネットというアパレル系の会社でデザイナーをしています。アパレルメーカーさんから依頼を受けて、そこのブランドの商品を生産、管理するOEMの仕事と、デザイン画などをメーカーさんに売る企画の仕事をしている会社です。     

私は、子どもから大人まで、洋服は全部デザイン経験があります。子ども服の定番ものから、10代・20代のギャル系とかナチュラル系、アメカジとか古着っぽい感じのものとか。いろんなお客さんから依頼が来るので幅広く描けるようになりました。     

一つのアパレルメーカーにいたら、そのブランドのテイストとか世界観になってしまったり、
カットソー・ニット・布帛(ふはく)で担当が分かれたりするんでしょうけど。
私は、広く浅くだけど、いろんなことができるようになったのはよかったと思います。
やっていくと、自分が着ないギャル系が一番得意なんだとか分かってきました。
あ、こういうの売れそう、っていうのが分かるんですよ。
ひとりよがりにならずに、ここのお客さんが着るかなとか、そういうのが一番大事だと思います。    

-デザインをされる際、どんなことを考えるのですか?

指示書のとおりに出来上がったTシャツを見せていただいて感動しました。

どんな人が買うのか、いつ店頭に出てそのとき何が流行っているか、そういうことを考えています。しっかりとやるときは、1カ月ごとにテーマを決めてやっていくことも。あと、先月出したものと合わせられるようにして、ずっとそのブランドで着こなせるようにもしています。     

服飾業界では一応トレンドが決まってて、みんなパリコレとかミラノコレクションとかを参考にしています。今年の春はD&Gを見てウエスタンが流行ると思うんだけど、そのまま真似しても着づらかったり、リアルじゃない。自分たちのお客さんがこういう子だからこう着せるんだとか、それぞれのブランドが自分たち流にアレンジしていかないと。     

トレンドだから押さえないといけない“見せる商品”もあって、
去年のナポレオンジャケットとかがそう。
お店の雰囲気を今っぽくするためにやるんです。
商品は見せる商品と定番とその中間のものとがありますが、
今はユニクロがあるので、定番がなかなか売れなくなってきてます。     

デザイナーをしていてうれしいのは評判が良いとき。
知らない子が着てるのを見たとか、雑誌に載ったとか。
パリス・ヒルトンが着てたときは、会社でキャッキャとはしゃいだりしました。     

-情報はどうやって収集されるんですか?

お店見に行くといっぱい情報が入ってきます。
例えば、前の方に置いてあると売れてるんだとか、
次の週に行って一番下にあるとちょっと売れ行き悪いんだなとか。
あと店員さんとしゃべったり、その辺歩いてる子の服見たり。     

企画するのは半年くらい前なので、ちゃんとストックもしておかなきゃいけなくて。
私の場合は、雑誌はあまり注目して見てないんだけど、
かわいいなと思ったらどんどん雑誌を切り抜いて、自分のネタ帳に貼っておきます。     

-アパレル業界に就職するにはどうすれば?

会社にもよるんですけど、学校は全然関係ない。
ファッションの専門学校を出て、ある程度の知識があると思っていても、
実際は就職してから学ぶことがほとんどなので。
やる気があって素直でがんばってくれる人がいいですね。     

やり方とか仕組みも会社によって違うから、
学生のうちは思いっきり楽しめば良いと思います。
好きなことが絶対何か役に立つと思うから。     

あとは、服飾系で何をやりたいかですね。
パタンナー(型紙を作る人)なのか、テキスタイルデザイナーなのか、
ファッションデザイナーなのか。グラフィックっていう分野もある。
パターンナーならCADを使うけど、デザイナーはあんまり特殊な技術はいらないですね。
あと、マーチャンダイザーって呼ばれる商品化の全体を見る人がデザイナーよりも上にいます。     

長谷川さんの卒業制作

昼も夜も学校に泊まりながら作るぐらい夢中になれるなんて、いいなぁと思いながら話を聞いていました。

-学生時代はどんな風に過ごされましたか?

大学2年生の時から企画会社でアルバイトをしてて、そのときに広告やDMとかのグラフィックをやってました。あと洋服のプリント柄をやったり。     

卒業制作の提出前3カ月間はずっと学校に居ました。シルクスクリーンをやって、家にはお風呂に入るために帰って、寝るときは森下さんの研究室にベッドがあったのでそこで(笑)。

-最後に、長谷川さんにとってデザインとはなんですか?

自分も人も喜ばせ、笑顔にするようなもの!
気持ちを動かすものですよね、やっぱり。     

森島先生のお別れ会(最終講義)のときに、
一人ずつに色鉛筆をくれたんですけど、
そこに先生作の詩みたいのがあって。     

「素敵な色鉛筆を持ったら、
それを入れる上質な筆箱が欲しくなって、
それが手に入ったら次はそれを入れる素敵なかばんが欲しくなって、
かばんを買ったら、次はそのかばんに合う服が欲しくなった。」     

とか書いてあったんですよ。
それを見て、あぁ、こういう服を作れたらいいなって。
その人に気に入ってもらえて、
その詩の中に登場できるような服をつくれたらな、って思いました。     

インタビューワ 稲垣 裕美子
13期生(平成20年度入学)デザイン情報学科
Webデザイン志望     

―インタビューの感想―
終始笑顔でお仕事のことを語って下さった長谷川さんにとても魅力を感じました。
大学を全力で楽しんで、自分らしい作品の作り方や
表現の仕方を学んでいきたいです。  

稲垣 裕美子

3DCGのmayaをかじったり、ActionScript若干かじったり、Photoshopかじったり。
いろいろを、少しずつですがかじってます。

今はWebに興味があります。
何でも聞いたり言ったりしてください。
知らない人でも何でも、役に立たなくても手伝います。

Vol1. 2010年2月 河瀬 智文さん 芸術工学部7期生

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電動工具メーカー  プロダクトデザイナー
株式会社マキタ

河瀬智文

7期生 生活環境デザイン学科 平成17年度卒業
大坪牧人 研究室

-現在のお仕事は?

以前は自動車のアフターパーツやレーシングカーの制作会社にいたんですが、
去年転職して、今は電動工具のデザインをしています。

仕事内容はスタイリングはもちろんですが、
使い心地や使い勝手など、ユーザビリティを大切にして考えています。
例えば草刈り機の背負い心地を常に研究している人たちがいたりするんですよ。
企画、設計、生産技術など、いろんな人とチームを作りながらひとつの製品を作っています。

-どのように仕事を覚えましたか?

パンフレット

パンフレットを見せてもらいながら、工具の形の作り方を丁寧に教えていただきました。

僕は中途採用だったので、入社1カ月後には「これできる?」といきなり仕事でしたが、仕事の基本的なノウハウは前職で少しは身についていたので、工具っていうもののデザインに慣れていきました。

機構や機能について設計者に尋ねたりと人から聞くことが多かったです。
会社の中での事は会社の人が一番やわかっているし、人から聞くと聞いたこと以上の情報が入ってきます。他社製品を見て勉強します。「こんなことしたい」と思えば、似た機能のものを探して勉強し、その上で自分ならこうしよう、と考えます。

-私は企画の仕事に興味があるのですが、企画をするにはどうすれば?

もちろん企画がしたいって言えばいいです。
ただ、商品を知らないとできないこともあると思います。
前職では提案することもありましたが、組織が大きくなってくると専門の人がいるので、
いきなり企画と言わず、営業や設計、デザインを経験してからでもいいのではないかと思います。
あとはタイミング。就職や仕事って結構、運が大事だと思います(笑)。

-就職活動のアドバイスをお願いします。

マキタの製品

マキタの製品は、電動工具から写真のような機械まで多岐に渡るのですね

プロダクトデザインやるなら、まずカタチがつくれることが必要ですね。その上で、ちゃんとコミュニケーションができることが大切だと思います。質問の意図を理解していないとかはダメ。必要なことを聞き出したり、伝えたい事、自分はどんな事を考えているのかを確実に伝えられる技術を身につけてください。

就活の前に、どんどんインターンに参加した方がいいと思います。ポートフォリオや実習だけじゃなく、インターンのときに選考をする企業もこれから増えていくようです。気になる企業やデザイン事務所とかあれば積極的に問い合わせてみたらいいと思います。僕は企業のネームバリューにばかり気にして就活してたりしました(笑)。それはだめですね。

-学生のうちにしておくべきことは?

馬鹿をしておくべき!(笑)。
考えるのにもいい期間だし、会社に入ると選択肢が狭められたりするから、
いろいろやっておくといいと思います。
芸工は分野が広いから、違う分野のプレゼン聞きにいったりしてもいいし。
僕らのときは今みたいに卓展みたいなのが無かったので、
3、4年生になるとコンペに出したりしていました。
先輩の卒制の手伝いで、夜11時から作業したりもしましたね。

-学生のときと今とで、考え方は変わりましたか?

インタビュー風景

2時間程度のインタビューで、会社のことから学生時代のことまでたくさんのことをアドバイス頂きました。

学生のころはメディアにいっぱい出てくるような華やかな個人のデザイナーに憧れていました。でも今はどちらかというと縁の下の力持ちというか、あまり人の目にはつかないけれど社会貢献ができるようなデザイナーになりたいと思っています。

今の会社で魅力だと感じるのは、いろんな部署の人とさまざまなものを作っていけるということ。組織としての力というものもありますしね。考え方だけではなく、作業の進め方も変わりました。やっぱり考えるところに時間をかけたいので、作る手法をどれだけ短縮できるかを工夫するようになりました。今なら学生のころ苦労したスピードシェイプも、デザイン含めて4日あれば作れると思います。

-河瀬さんにとってデザインとは?

難しいけど、人の心を熱くするものかな?
気持ちを動かすものなんだなとおもいます。
(って、川崎先生の受け売りみたいになっちゃってますけど(笑))

社会に出てみて、
デザイナーの地位が低い分野まだまだあると感じます。
戦略的にデザインをプロデュースしていきたい。
だから、これから「それで行こう」って言える立場になって、
自分の思うデザインができるようになりたいですね。

インタビュアー:山下 咲衣子

13期生(平成20年度入学)デザイン情報学科

プロダクトデザイン志望

―インタビューの感想―

プロダクトデザイナーを目指すにあたって、とても勉強になりました。
自分が今なにをやるべきなのかしっかり考えていきたいです。
とても楽しかったです。

山下 咲衣子

プロダクトデザイン志望で、日々なにかしら手をだしています。
いろいろな分野の方と関われたらいいなと思います。

Written by 山下 咲衣子

2月 10th, 2010 at 12:00 am

芸工クロストーク活動について

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名古屋市立大学芸術工学部も学部設立から14年が過ぎ、卒業生の活躍の場も広がってきています。

その分野はグラフィックやプロダクト、平面・立体造形、映像、サウンド、建築、アーバンなど幅広く、職種も実に多彩で魅力的です。中には芸人や海外で活動する人もいたりして、人数が少ないわりに結構おもしろいことをしています。

しかし、残念ながらその情報はあんまり聞こえてきません。

在校生は先輩たちがどうやって大学で学んだこと生かして働いているかを知らず、進路や就職に悩んだりしていますし、卒業生もせっかく広いジャンルで活躍しているのに、学科や学年を超えたネットワークをなかなか築くことができずにいます。さらには「芸術工学って何?」と問われることも多く、知名度もまだまだです。

それは、もったいない! ということで、
「芸工クロストーク」は、芸術工学部の卒業生や在校生をつなぎ、芸術工学をもっと知ってもらうために始まりました。

具体的には、在学生が卒業生を訪ね、仕事のことから、学生時代に夢中になっていたこと、社会人になってあらためて思う”芸術工学とはなんだろう”ということをインタビューし、それを紹介していきます。

在学生にとっては、先輩の言葉から自分の仕事や進路について考えるヒントになり、卒業生にとっては、互いの仕事を知ることで刺激を受けたり、協同のビジネスに展開するきっかけになると考えています。

また、芸術工学で学んだことを活かして働く卒業生のリアルな言葉は、芸術工学やデザインが持っている力や可能性を改めて考えさせ、その活躍のフィールドを拓いていくことにもつながるのではないでしょうか。

そういった場を、芸工生みんなで作っていこう、というのが「芸工クロストーク」の活動です。

最終的には、在学生の活動や卒業生の仕事の情報などを共有できる組織を目指しています。在学生と卒業生、卒業生どおしが、リアルタイムでコミュニケーションができ、ビジネスに発展するような環境を、名古屋市立大学芸術工学部生に提供できればと考えています。

また、”名古屋”という地域を活性かさせるために、中部圏で活躍する人や会社を紹介する機会をつくり、芸術工学部生が仕事や活動を通じて名古屋に還元できるようにしていきたいと思います。

まだ、はじまったばかりの活動ですが、活動に興味のある方は、ぜひご連絡ください。

名古屋市立大学芸術工学部 5期生
野村亮之

野村 亮之

2004年 名古屋市立大学芸術工学部在学中に株式会社sus4を設立・取締役に就任(現職)。2005年同大学を卒業。
デザイン視点でのウェブサービスの在り方をアプローチの基本として、さまざまなウェブサービス構築に従事。
2006年8月日本初のオンライン動画編集サービスClipCast(http://clipcast.jp/)を開始。2009年7月OTSベース動画解析サービスVideoAnalytics(http://video-analytics.jp/)を開始。
2009年8月Ext Japan LLCにてSenior Software Architectに就任。

Written by 野村 亮之

2月 1st, 2010 at 2:27 am

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